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 Weekly Magnets vol.012

私たちマグネッツが扱っている古着を皆様にもっと興味を持っていただき、古着のすばらしさを
お伝えできればと思い、その歴史やディティールのことについて紹介していきたいと思います。

Barbour
やっと梅雨明けしましたね。今年の梅雨は本当にダラダラと長かったように思います。
雨が降ることはとても大事なことではありますが、洋服屋さんに勤める僕としては
雨の日はお客さんの入店が減るし、靴は濡れるし、傘は持つの嫌いやし(知らんがな)
電車に忘れるし(アカンがな) どうしてもネガティブなことばっかり考えてしまいがちです...

そういった悪天候を少しでも快適に過ごすために生まれた洋服、「Barbour」。
「アメリカ古着とモダンファニチャー」がうたい文句のマグネッツですが、ここ数年、バーブァーの
ワックスド・ジャケットの仕入れにも力を入れています。一世紀以上の歴史があり、
その洋服のつくりとタフさは、発祥こそイギリスですがアメリカ古着に通じるものがあると思います。

「目には目を、雨にはバーブァーを!」というわけで今回の特集はイギリス王室御用達ブランド「Barbour」です。


サウスシールズのバーブァーから

ジョン・バーブァーはスコットランド南西部のギャロウェイの農家の次男として生まれ育ちました。
彼の家はスコットランドの歴史を14世紀まで溯れるほどの旧家でした。
故郷の荒涼とした自然の中で羊の世話をしていた彼ほど、悪天候の中では
どんな服を着ていたらよいか理解していた人物はいなかったことでしょう。

彼は二十歳になると故郷を巣立ち、運命を切り開こうとイングランド北東部に渡りました。
1870年にここで布地の行商を始め、その一年後に、将来に十分に自信を持った彼は、
幼い頃からの恋人のマ-ガレット・ヘイニングと結婚しました。

彼女はジョンに平和と10人の子供を与え、更に今までの知識と経験を生かして
「J バーブァー・アンド・サンズ商会」を設立する勇気を与えました。
この会社こそ、後に世界にその評判をあまねく行き渡らせることになるのでした。

それ以来ずっと、バーブァーの衣服はイングランド北東部及び、スコットランドとイングランドの
境界あたりで作られてきました。品質の妥協は一切なく、一つ一つの衣服を作る織り手、
仕立て人、縫い手が幾世代を経ようとも、バーブァーの目的が忘れられたことはありません。

1894年以来の英国製

1894年にジョン・バーブァーは、当時急速な発展を遂げていたサウス・シ-ルズ港で、
港の発展と共にその数を増していた水夫、漁師、河川労働者、港湾労働者相手に、
北海の悪天候から身を守る油引きの布やその他衣料品を商う店を独力で開きました。

数年の内に、彼の店は北東海岸随一の油引き布の店となり、船乗り達だけでなく、
周辺地域の農民、労働者、御者、羊飼い等、どんな悪天候でも屋外で働かなければならない人々も
商品を買いに来るようになりました。20世紀初頭には、バーブァーの耐久性のあるビ-コン油引き布は、
英国全土及び海外にまでその名を知られるようになりました。

開店の頃からバーブァーは海外からの注文を受けていました。
当初は大半が、熱帯から亜北極まであらゆる気候条件に属する英国植民地からのものでした。
需要に応ずる為にバーブァー社は1908年に初めて、簡単なカタログを製作し、
国内で行われているのと同レベルのサ-ビスを約束しました。

1912年になると、英国の植民地以外の国からも多くの注文を受けるようになり、この年のカタログには、
アルゼンチン、オ-ストラリア、ブラジル、東部アフリカ、カナダ、チリ、オランダ、ジャマイカ、ニュ-ファウンドランド、
香港、ニュ-ジ-ランド、ロ-デシア、スペイン向けへの送料が記述され、その国の数は年と共に増えていきました。


バーブァーと通信販売、カタログ

バーブァーの通信販売が始まった頃から全盛期に至るまでのカタログから。
通信販売はバーブァー社の主たる収益部門へと育ってゆき、年を経るごとにカタログのペ-ジが
充実していくことにも反映されています。1908年にはたった16ペ-ジだったカタログが1926年には
120ペ-ジに増えて、この年、バーブァーは12万部のカタログを製作し、その内の2万部は
特別に海外向けに製作されました。そんなバーブァーのカタログを年代別に紹介します。

1908 1911 1914-15 1920
 1908年に初めてカタログ
 を発行。バーブァーの新
 時代はこの試験的に作ら
 れた16ペ-ジのカタログ
 から始まり、以来ずっと顧
 客とのコミュニケ-ション
 の伝統が育まれました。
 バーブァーの通信販売が
 始まった頃から全盛期に
 至るまでのカタログから。
 通信販売はバーブァー社の
 主たる収益部門へと育って
 ゆき、年を経る毎にカタログ
 のペ-ジが充実していくこと
 にも反映されています。


1924 1925 1928 1931

1937 1942 1956 1959

 1956年のバーブァーの
 カタログの表紙。No.5
 マ-ケット・プレ-スで
 作られた最後のカタログで
 挿絵は商業画家、カラ-
 の手によります。マルコム・
 バーブァー(J・バーブァー
 の息子でバーブァー社の
 後継者)が、これより39年
 ほど前に初めてカラ-に
 挿絵を依頼しました。



活動範囲が限られていた時代、バーブァーの通信販売カタログは町から離れて暮らす人々や海外にいる人々にも恩
恵をもたらしました。バーブァーの品質と価値は保証付きである上に、サ-ビスも非の打ちどころがありませんでした。

 

 1917年になるとバーブァー社の男子職員の8割
 が戦争に動員され、「油引き布は軍関係の需要
 を最優先」にしました。


 1920年に平時の体制に戻ります。 1924年
屋外でお仕事をなさる方にバーブァーは
かかせません。
1954年
当時モ-タ-バイクに熱中していたダンカン・
バーブァーは、バーブァージャケットをモ-タ-
バイクウェアとして広めることに成功しました。



バーブァーのタグの移り変わり

1910 1934 1954 1968




 1979年より英国王室御
 用達といわれる由縁で
 ある王家の紋章が刻印
 される。1つ目はエリザ
 ベス女王、2つ目がエジ
 ンバラ公、3つ目がチャ
 ールズ皇太子のもの。
1979 1982 1987~現在


バーブァー・ジャケットを他社の製品と区別する最も特徴的な点があるとすれば、それは殆ど伝説的な耐久性でしょう。
しかし使われている素材の品質、つまり純粋な長繊維のエジプト綿、しっかりした真鍮の鋲、大きな金属製ファスナ-、
そして平均して15,000の縫い目、200 個にも上る部品という仕立ての良さを考えれば、別に驚くことではありません。

バーブァーのワックスド・ジャケットの縫い目は二重に丸めてあり、それぞれ生地が二重になった箇所にステッチが
入っています。ここは仕立ての複雑さがよく分かる部分で、この仕掛けにより縫い目は完全に防水されているのです。
また縫い糸も生地と同様、企業秘密の防水剤で処理されています。


バーブァー・ワックスドジャケット一覧表

BEDALE (ビデイル) BORDER (ボーダー)
 紳士の国、イギリスならではの乗馬用に作られている為
 他のモデルに比べ、着丈が短めにデザインされている。
 袖口は風が入らないようゴムニット処理がなされている。
サイズ展開が一番豊富なミディアムウェイトモデル。
               マグネッツ価格 ¥16800-
 ゲームフェアより着丈が5cmほど長くなったコートタイプ。
 袖丈も若干長めの設定で、セットイン・スリーヴが他の
 モデルと違う特徴。ユーズド市場では比較的よく見るポ
 ピュラー(本国で一般に着られているのだろう)なモデル。
               マグネッツ価格 ¥12800-

GAMEFAIR (ゲームフェア) BEAUFORT (ビューフォート)
 紳士の国、イギリスならではの競馬観戦用に作られた
 モデル。横のビューフォートより10cmほど着丈を長くし
 腰背面部のポケットの代わりに左脇腹部に内ポケット
 (着脱可能)を装備しているが、残念ながら今では廃盤。
               マグネッツ価格 ¥12800-
 狩猟用として作られたジャケット。バックには本来、
 獲物を入れるための大きなポケットが施されている。
 地図などの携帯にも便利で機能的なモデル。ミディア
ムウェイトだがライトウェイトバージョンも存在する。
               マグネッツ価格 ¥12800-

NORTHUMBRIA (ノーザンブリア) MOORLAND (ムーアランド)
 ボーダーよりも着丈を5cmほど長くし、生地をヘビー
 ウエイトコットンに置き換え、ライニング(裏地)をコットン
 からウール地に換えたムーアランドと並びバーブァー
 最強の防寒着。WaxedCottonタイプは現在では廃盤。
               マグネッツ価格 ¥14800-
 ビューフォートのディテールをほぼそのままに、生地を
 ヘビーウェイトコットンに置き換えたモデル。写真は
 現行のサンドストーンカラー。ノーザンブリア同様、
 ワックスドコットンタイプは現在では廃盤。

SLOWAY ZIPPER (ソルウェイジッパー) DURHAM (ダーハム)
 ノーザンブリア、ムーアランドと並びヘビーウェイトコットン
仕立てだが、ライニングはコットン地のジャケット。ウエスト
ベルト付。どのような目的で作られたのかはわからず。
昨年エディフィスより復刻モデルが出ていました。
               マグネッツ価格 ¥12800-
 ワックスド・ジャケットの中で唯一のライトウェイト・コットン
 仕立て。フードとウエストは風の吹き込みを防ぐために
 絞れるようになっています。手軽な合羽といった趣。
ウォータープルーフバージョンもある。
                マグネッツ価格 ¥9800-

INTERNATIONAL (インターナショナル) SPEY WADING JK(スペイ・ウェディングJK)
 ヨーロッパモータースポーツ全盛期において最も優れた
 ライディングジャケットと言わしめたモデル。転倒を考慮
 し生地はヘビーウェイトコットン仕立てで、左胸のポケット
は地図を片手で取り出せるように配慮されている。
ライトウェイト、ウォータープルーフバージョンもあり。
 写真のWaxedCottonタイプはすでに廃盤となっている
 スペイジャケット。フィッシング用に開発されたジャケット
 で、水面に入ることを想定している為このような着丈
 となっている。現在ではマイクロファイバー素材の
 (DuraCotton)ものがリリースされている。洗えるらしい。

他にも「Stockman Coat」、「Burghley(乗馬用)」、「Commando JK(第二次世界大戦中にイギリス海兵隊に
採用された。現在は復刻がリリースされている)」などあるが、材料が揃わなかったため、紹介できませんでした。
また機会があればということで...

   
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